遺産分割で他の相続人から弁護士を立てられてしまった方へ

遺産分割で他の相続人から弁護士を立てられてしまった場合、突然のことに驚き、どのように対応すべきか困ってしまうものです。

弁護士は豊富な専門知識だけでなく、遺産分割協議を有利に進めるだけの交渉力も持ち合わせています。個人で相手の弁護士とやり取りするとなると、自身が不利になってしまうのではないかと不安に感じてしまうのも無理はありません。

そこで今回は、遺産分割で他の相続人から弁護士を立てられてしまった場合に生じるポイントと、ご自身も弁護士を立てるメリットについて詳しくご説明します。

相手方に弁護士が就くことで生じる2つのポイント

まず、相手方に弁護士が就くことで生じるポイントは主に以下の2つです。

  • ・相手との交渉力に差が出る
  • ・相手方のペースで交渉が進んでしまう

それぞれ個別に詳しく解説していきます。

相手との交渉力に差が出る

弁護士は日頃から交渉を生業にしているといっても過言ではないため、弁護士相手では交渉力に圧倒的な差が出てしまいます。

一見、いままで揉めていて進まなかった遺産分割協議が、弁護士の介入によってスムーズに進むようにも見えてきます。しかし、弁護士というのは、依頼人が有利になるために交渉をすることから、すべての相続人に対して公平に話し合いを進めるといったことはまずありません。相続人全員からの依頼で弁護士が介入しているのであれば、公平な話し合いも期待できるところですが、

他の相続人が立てた弁護士であれば、こちらが有利になるような提案を期待すべきではありません。

専門知識の差、実務経験の差から交渉力に圧倒的な差が出てしまうため、どうしても不利になってしまいます。

相手方のペースで交渉等が進んでしまう

弁護士が介入してきたということは、相手である相続人のすべての窓口が弁護士になるということです。

遺産分割に関する交渉権限はすべて弁護士に与えられるため、当事者同士での話し合いはもう叶わなくなるケースもめずらしくありません。

当事者同士だからわかること、当事者同士だから言えることというのは、交渉の面で少なからずあるところですが、弁護士の介入によってすべてシャットアウトされてしまいます。

となれば、こちらの主張を理解してもらえないばかりか、相手方のペースで交渉等が進んでしまう危険があります。

遺産分割調停に進んだ場合の注意点

遺産分割協議で相続人が弁護士を立ててきたということは、「遺産分割調停」も視野に入れている可能性が高いです。

遺産分割調停とは、簡単に言えば管轄の裁判所にて裁判官と調停委員を交えて話し合いをする手続きです。遺産分割調停では調停委員を味方につけることが重要で、話し合いを有利に進めるためにも、弁護士は理屈を立てて調停委員を説得します。一般の方とは違い、法律のプロである弁護士の説得力は強く、どうしても不利になりがちです。

また、調停委員の意見はそのまま裁判官にも伝わるため、こちらの意見がまるで反映されずに、調停への合意を求められてしまうことも多く、注意が必要です。

 

遺産分割審判に進んだ場合

遺産分割調停というのは、話し合いが合意に至らなかった場合、自動的に審判手続きへと移行するものです。

遺産分割調停が審判手続きへと移行すると、裁判所が強制的な解決を図ります。

そして、遺産分割審判の場合、ほとんどのケースで法定相続分通りの分割を命じられることが多いのが実情です。法定相続分通りで納得できないからこそ、ここまで話し合いを続けてきたといったケースも現実には多いため、それらがすべて無駄になる恐れがあるのです。

どうしても納得できない場合は、即時抗告という手続きで異議申し立てをすることは可能です。

しかしながら、遺産分割調停が審判へと移行したということは、裁判官がこれ以上の話し合いは意味がないと判断したということです。

ここに至るまで協議の期間も含めれば短くても半年、長ければ1年以上を費やしているケースがほとんどです。遺産分割審判へと進んだ場合、かけた時間に見合わない結果となってしまう恐れがあります。

自分自身も弁護士を立てるメリット

上述した通り、1年以上の期間を要して、最後は法定相続分通りではまるで報われないといっても過言ではないでしょう。こうした事態に陥らないため、そして遺産分割協議を早期に解決させるためには、自分自身も弁護士を立てることを視野に入れるべきです。

以下では、自分自身も弁護士を立てた場合のメリットを3つご紹介します。

  • ・協議を有利に進めることができる
  • ・感情的な対立を避けることができる
  • ・遺産分割調停になっても不利にならない

協議を有利に進めることができる

自分自身も弁護士を立てさえすれば、協議が不利になる心配はありません。依頼した弁護士によっては、協議を有利に進めることさえ可能となります。相手の弁護士との交渉力に大きな差はなくなるため、安心して遺産分割協議を任せられるメリットがあります。

感情的な対立を避けることができる

弁護士が介入することで、すべての窓口対応・連絡を任せることができます。相手方の弁護士はもちろん、他の相続人とも直接の話し合いをする必要がなくなるため、感情的な対立を避けられる点も弁護士に依頼する大きなメリットの1つです。

遺産分割調停になっても不利にならない

弁護士に依頼をしていれば、遺産分割調停へと発展しても不利になる心配はありません。依頼した弁護士が毎回同席してくれますし、自身の代わりに発言もしてくれます。難しい専門的な話は弁護士に任せて、ご自身の要望をしっかりと主張していけるメリットがあります。

他の相続人に弁護士を立てられてお困りの方はご相談ください

以上のとおり、他の相続人に弁護士を立てられた場合、遺産分割協議が不利に進められてしまう恐れがあります。一般の方が弁護士を相手に話し合いを有利に進めるのは、まず困難といってもいいほど、実務経験と専門知識に大きな差があります。

また、遺産分割協議がまとまらず、調停へと発展してしまった場合も、不利な状況は改善されません。裁判所の裁判官や調停委員というのは、原則として公平な立場ではありますが、法律のプロである弁護士からの意見に耳を傾ける傾向が強いです。

遺産分割協議だけでなく、調停の場面においても不利になってしまう恐れがあるため、他の相続人が弁護士を立ててきた際は、自分自身も弁護士への依頼を検討する必要があります。

そこで、もし他の相続人に弁護士を立てられてお困りという方がいらっしゃれば、ぜひ一度当事務所にご相談ください。相続問題に精通した弁護士が、あなたの遺産分割協議が不利にならないよう全力でサポートさせていただきます。






    この記事の監修者

    監修者:西村啓聡

    弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士

    西村写真

    注力分野

    岡山エリアでの相続分野(遺産分割・遺留分侵害額請求など多数の相談実績)

    経歴

    東京都内の法律事務所での勤務を経て、岡山県に弁護士法人西村綜合法律事務所を創立。県内を中心に年間約80件の相談を受けており、岡山エリアの相続に強い弁護士として活動。地域に根ざし皆様の拠り所となれるような法律事務所を目指している。