相続人の夫・妻が遺産分割に口出ししてくるケースの対処法を弁護士が解説

相続や遺産分割協議の際によくあるトラブルとして「相続人の夫・妻が口出ししてくる」というものがあります。

  • ・夫は長男で介護も行っていたから、遺言通りに相続するべきではない
  • ・我々夫婦が通院や買い物など日頃の世話をしていたのだからこちらが多くもらうべきだ

上記のような発言や意思表示によって相続争いが一層こじれてしまうことも多々あります。

今回は、相続人の家族が口を挟む権利はあるか?という点や、事前に対策する方法などを解説いたします。

そもそも「相続人の配偶者」は協議に参加できる?

「相続人の配偶者」は法定相続人ではない

相続人とは、故人の財産を引き継ぐ法的な権利を持つ人々のことを指し、民法によりその範囲が明確に定められています。

前提として、そもそも相続人の配偶者は、法定相続人ではありません。

遺産分割協議は相続人が行うこと

遺産分割協議は、基本的には法定相続人のみが参加する話し合いです。

相続人の配偶者は法定相続人ではないので、遺産分割協議には原則入ることはできません。

故人との関係性が近いからといって配偶者が自動的に相続人になれるわけではないことに注意しましょう。

相続人の夫・妻が口出ししがちなケース

自分達の取り分が少なく納得いかない

相続が始まると、しばしば「自分たちの取り分が少ない」と感じた相続人の配偶者が口出ししてしまうケースがあります。

配偶者が経済基盤を担っていたり、家庭を支えていたりした場合には特に顕著です。

ただし、これは法定相続人の意向に基づき解決されるべき事項であり、配偶者自身の感情で判断されるものではあります。

故人の介護等を行なっていた

故人の長期にわたる介護を相続人の配偶者が行なっていた場合などにおいては、その労力が遺産分割において何らかの形で評価されるべきだと考えて口出しをしてくるケースがあります。

しかし、生前の介護をしていたからといって必ずしも相続分が増えるわけではありません。

こちらも、本来は法定相続人同士の話し合いによって解決されるべき内容です。

相続人の夫・妻が権利を主張できるケース

遺言書で言及されていた

故人が遺言書において配偶者に何らかの財産を遺す旨を記載していた場合、法定相続人ではなくても、故人の意向により遺産を受け取ることができるのです。

故人と養子縁組をしてた

故人と相続人の配偶者が養子縁組を行っていた場合、配偶者は法定相続人として遺産分割協議に参加する権利を有します。養子縁組は、血縁関係にとらわれない相続を可能にする手段でもあります。

 

相続人の夫・妻からの口出しによるトラブルを避けるには?

法定相続人を明確にしておく

相続の関係者の中には、法定相続人の範囲や地位について知らない方も多いです。

トラブルを避けるためには、まず法定相続人が誰であるかを明確にし、その上で遺産分割協議に臨むことが重要です。

遺産の内容や、生前贈与があったかどうか明確にしておく

遺産の内容や生前に行われた贈与について不透明な点があると、相続人の配偶者からの不満や口出しが生じる原因となります。

可能な限り、故人の財産状況を透明にし、相続人間で情報共有を行うことが望ましいです。

そのため、相続人・相続財産調査を事前に進めておきましょう

西村綜合法律事務所では、調査だけではなく今後の相続の進め方や、遺産分割協議などを弁護士に依頼するべきかどうか等の最適なプランについて「ご相談者様が損しないように」という観点でアドバイスさせていただきます。

寄与分があったかどうか確認する

寄与分は、実際に貢献に対する報酬として位置づけられています。

相続の場面では、もし被相続人の看護を行なったり、家業に従事したりして、結果として被相続人の財産増加や維持に特別の寄与をした人がいれば、その労力に対する報酬として財産の一部を「寄与分」として受けることが認められることがあります。

寄与分は通常の相続分には計算されず、遺産の総額から先に寄与分を控除してから、残余の財産を相続人間で分配し、寄与者にはその相続分の上に寄与分が加算されます。

ただ、これまでは寄与分の受け取りが法定相続人に限定されていました。例えば、被相続人と同居している長男の妻が主に介護を担っていた場合でも、彼女が寄与分を受け取る資格はなかったのです。

しかし、令和元年7月1日から施行された民法の改正により、被相続人の親族であれば、法定相続人でなくても「特別寄与料」を受け取ることができるように変わりました。これは寄与分に類似した概念で、特別な寄与をした相続人ではない被相続人の親族の権利となります。

相続人だけで話し合いをする

相続人の夫・妻からの不当な介入を避けるためには、やはり法定相続人のみで遺産分割協議を行うことが望ましいでしょう。

法的に無関係な人が話し合いに入ってしまうとトラブルのリスクに繋がりますし、他の相続人から不信感を持たれてしまうかもしれません。

話し合いがまとまらない場合は弁護士へご相談を!

遺産分割協議が円滑に進まない予感がしたり、もう既に揉め事になっている場合は弁護士への相談を急いだ方が良い場面だと考えられます。

遺産分割の交渉を弁護士に依頼するメリット

親族同士のトラブル・対立を予防できます

遺産分割は家族間でも意見の対立が起きやすい問題です。そのような時、弁護士が中立の立場から適切なアドバイスを行うことで、対立の予防や解決につながります。

遺言の有効性を相談できる

また、遺言の有効性についても相談できます。

遺言が法的に有効かどうかを見極めるのは難しいものですが、弁護士の専門的な知識を借りることで、適切な判断が可能となります。

預金の使い込みについて相談できる

さらに、他の相続人が無断で遺産を使い込んでしまった場合など、具体的なトラブルについても対応が可能です。

使い込みに関する案件では,引き出しの数が膨大であったり,過去の事でありかつ被相続人が死亡しているため,間接的な事実から引出しの理由等を推認する他なく,証拠の収集や事実の確認が難しい場合があります。しかし,弁護士に依頼をすることで,医療機関からの資料の収集が容易になったり,引出金の精査等が十分に行えます。

相続人調査と相続財産調査を任せることも可能です

相続には多くの手続きが伴いますが、その一つが相続人や相続財産の調査です。

これらの調査は、専門知識や経験が必要なため、弁護士に任せることで安心できます。

相続調査は遺産分割協議の前提情報として必須と言えるであろう内容です。こちらのページでは相続調査の流れや対象について詳しく解説いたしましたのでぜひご覧ください。

遺産分割にお困りの方は西村綜合法律事務所へご相談ください

あまり接点のない相続人の配偶者が遺産分割に口出しするという事態は、トラブルに直結するだけでなく、遺産分割協議をいたずらに長引かせることに繋がります。

相続の手続きには、相続税の申告のように期限が設けられているものも存在するので、早く終わらせるに越したことはありません。さらに、紛争が長期化すると、かつては親密だった相続人同士の関係性にも亀裂が生じ、家庭裁判所での調停を求めざるを得なくなる事態にも陥りかねません。

争いが生じそうな兆しを感じたら、できるだけ早期に弁護士に相談することをお勧めします。

西村綜合法律事務所は地元岡山に密着し多数の遺産分割協議を解決に導いてきました。その経験・ノウハウを活かし、皆様のお悩み解決に向けてサポートできれば幸いです。現在、岡山県にお住まいの方向けに無料相談を実施中です。オンライン形式でも可能ですのでお気軽にお問い合わせください。






    岡山での相続は都内・関東でも進めることができます

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    この記事の監修者

    監修者:西村啓聡

    弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士

    西村写真

    注力分野

    岡山エリアでの相続分野(遺産分割・遺留分侵害額請求など多数の相談実績)

    経歴

    東京都内の法律事務所での勤務を経て、岡山県に弁護士法人西村綜合法律事務所を創立。県内を中心に年間約80件の相談を受けており、岡山エリアの相続に強い弁護士として活動。地域に根ざし皆様の拠り所となれるような法律事務所を目指している。