相続人調査のやり方って?進め方や必要な書類などを解説します
一般的には、故人が遺言書を作っておらず相続人が複数いる場合は法定相続分に基づいて遺産分割協議を進めることになるでしょう。その際、遺産分割協議は相続人全員の協議によって行わなければならないので、事前に相続人の範囲を確定させておく必要があります。
今回は、相続人調査の進め方や弁護士に依頼するメリットなどを解説いたします。
目次
相続人調査って何?どんなことをするの?
相続人調査とは、文字通り被相続人の正確な相続人を特定するための調査活動のことを指します。
そもそも、相続人が誰であるか確定していない段階で先んじて遺産分割協議を終わらせたとしても、後々になって別の相続人が出てきてしまうと協議が無効になってしまったり、協議のやり直しを強いられる可能性があります。家族の死後、精神的ストレスがかかる遺産分割協議を1度で終わらせるためにも必要な手続きです。調査を通して、故人の戸籍を集めたり、相続関係説明図を作成したり、場合によっては遺言の有効性や他の相続人が健在であるか等を調査することもあります。
いずれの情報においても、被相続人が残した財産を誰が相続するのか、また、どのような取り分で相続するのかを明確にするために不可欠です。
もし調査漏れがあった場合、遺産分割はどうなる?
相続人の調査漏れがあった場合、特に法定相続人が後から判明した場合は、遺産分割のやり直しが必要となります。
例えば、被相続人に認知された子供が後から判明した場合、その子供も遺産を受け取る権利があります。このような場合、既に分配された遺産はその新たな相続人を含めて再度分配し直す必要があり、当初の分割内容が変わることになります。
相続人調査は自分でできる?
相続人調査は、一見すると単純な作業に思えるかもしれませんが、実際には複雑な手続きや書類が絡んできます。
後述しますが、相続人の全員を正確に把握するためには、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍などの多くの書類を取り寄せ、過去の戸籍の変遷や家族関係を詳細に確認する必要があります。また、相続人が複数の代にわたる場合や、被相続人に認知された子供がいる場合など、特別な事例が含まれることも少なくありません
こうした調査を正確に行わなければ、後々新たな相続人が判明し、遺産分割協議が無効となるリスクがあります。特に、遠方に住む親族や音信不通の相続人がいる場合、個人での調査はさらに難航するでしょう。
そのため、相続人調査を個人で進めるのは非常に難しく、ミスが生じる可能性も高いです。弁護士に依頼することで、法的な知識と経験を基に適切な相続人調査を行い、全ての相続人を正確に特定することができます。相続に関する疑問や不安がある場合は、早めに弁護士に相談しましょう。
個人での調査は大変!
相続調査を自分で行うには、数多くの手続きや知識が必要となります。
調査漏れは遺産分割のやり直しにつながります
もし、相続人を見落としてしまった場合、後から「私も相続分がある」という主張が出てくることも。
相続人全員の記名・押印のない遺産分割協議は無効になってしまいますので、協議自体をやり直すことになるでしょう。
戸籍収集の作業量が多い
戸籍を一つ取得するだけでも、役所への訪問や手続きが必要です。
多くの相続人がいる場合、その作業量は膨大になります。さらに、遠方の役所での取得が必要な場合も。個人で行うには、時間も労力もかかる大変な作業となります。弁護士に依頼することで、役所や銀行等での手続きを代理してもらったり、効率的な取得方法を助言してもらったりすることが可能です。
もとより、弁護士は相続人に代わってこれらの手続きを進めることができる立場ですので、相続人は日常生活や仕事に支障をきたすことなく相続人を確定することができます。
相続人調査の流れ
相続人調査は、具体的には以下の流れで進行します。
被相続人(亡くなった方)の戸籍を取得
まずは亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を取得します。
これにより、配偶者や子供、その他の親族関係を把握することができます。この取得にあたっては、戸籍の内容を読み解き、改製原戸籍、結婚前の戸籍を特定するなどの作業が必要です。
関係者の戸籍を取得し、相続人を把握する
次に、相続人の戸籍を取得し、正確な相続人を特定します。
これには、亡くなった方の直系卑属や兄弟姉妹など、さまざまな関係者の情報が必要となります。
相続人の相関図を作成する
全ての情報を元に、どのような関係で誰が相続人となるのか、一目でわかる相関図を作成します。
これにより、遺産分割の際の取り分や相続分の有無を明確にすることができます。
相続人調査に必要な書類
相続調査では、被相続人が過去に結婚や離婚をしているかどうか、相続権がある他の親族がいないかなどを確認することが重要です。
主に「戸籍謄本」「除籍謄本」「改製原戸籍謄本」を活用して相続人を明らかにしていきます。ここでは、相続人調査で使われる各書類の役割や違いについて詳しく解説します。
戸籍謄本
戸籍謄本とは、現在の戸籍の全体を写した書類で、その家族に関する情報が記載されています。
戸籍には、本人の名前、親の名前、配偶者、子供などの情報が記載されており、相続人の確定においては欠かせない書類です。
被相続人が最後に本籍を置いていた市区町村の役所で取得できます。
除籍謄本
除籍謄本とは、過去に存在した戸籍の全体を写したものです。例えば、家族の全員が死亡したり、結婚や転籍によってその戸籍に誰もいなくなった場合、その戸籍は「除籍」とされます。
除籍謄本は、 被相続人の本籍地がある市区町村役所で取得できます。
改製原戸籍謄本
改製原戸籍謄本は、過去の戸籍が改製された(法改正により戸籍の様式が変更された)場合に作成される書類です。戸籍は、制度の改正により様式が変更されることがあり、それ以前の内容は「改製原戸籍」に保存されます。
戸籍制度が改正される前の家族構成や記録が記載されており、昔の情報が含まれています。現在の戸籍では確認できない情報を得ることが可能です。
改製原戸籍謄本は、旧本籍地があった市区町村役所で取得できます。
相続人調査を弁護士に依頼するメリット
相続人調査は、一般の方が個人で行うには難易度が高く、手間がかかる作業です。
そのため、法律の専門家である弁護士に依頼することをおすすめします。
経験豊富な弁護士が抜け漏れない調査を行います
弁護士は、多くの相続案件を取り扱ってきた経験をもとに、抜け漏れなく調査を行います。また、不明確な点や疑問点があれば、適切な手続きや補足調査を行い、確実な調査結果を提供します。
複雑な戸籍や、量が多くても対応可能です
戸籍が多い、或いは複雑な家系であっても、経験豊富な弁護士ならば迅速かつ正確に対応します。弁護士の場合、職務上請求という方法で相続人の戸籍等を取得し、相続人調査を進めることができます。個人で行うのは大変でも、弁護士にはお手の物。安心してお任せください。
平日に発生する役所の手続きを代行できます
仕事や日常生活で忙しいご相談者様にとって、平日の役所の手続きは大変です。弁護士はこれを代行し、スムーズな進行をサポートします。
当事務所の相続人調査の費用
西村綜合法律事務所では、調査だけではなく今後の相続の進め方や、遺産分割協議などを弁護士に依頼するべきかどうか等の最適なプランについて「ご相談者様が損しないように」という観点でアドバイスさせていただきます。
サービス内容
(1)相続人調査および確認
※相続人が5名以上存在することが分かった場合は6人目以降につき1人あたり11,000円 を追加 料金として頂戴いたします。
(2) 相続関係説明図作成
(3) 相続財産調査 不動産・預貯金など
※名寄帳は2つまで。金融機関は5つまで。それ以上の場合は1社あたり16,500円となります。
※金融機関が県外になる場合は別途お見積りとなります。
(4)皆様のご状況に応じて最適なアドバイス・ご提案をいたします。
相続人調査・財産調査プランについてはこちらのページで詳しく解説しております
相続人調査は西村綜合法律事務所へご相談を
相続人調査は非常に重要であり、誤りや抜け漏れがあると”遺産分割協議の無効ややり直し”の原因となります。
西村綜合法律事務所は、岡山で多数の法律問題を解決してきた実績があります。初回相談は無料となっており、オンライン面談も可能です。経験豊富な弁護士が所属しており、迅速な対応を心がけております。
相続人調査に関するご相談や疑問点、不安点があれば、どうぞお気軽に西村綜合法律事務所までご連絡ください。