遺言書の作成

遺言書の作成

1、遺言書を作成したい方

相続は相続する側、される側にも大きな心配がつきまといます。「うちに限って、相続でもめるなんてありえない」「たいした財産もないのに遺言なんて・・・」とお思いになられるかもしれません。

ところが実際に相続が発生し、財産が絡んでくると、兄弟が豹変したり、知らない人が名乗り出てきたりもします。

また、相続の問題は非常に根が深く、法律だけでは解決できない感情の問題が多く含まれています。一度、こじれてしまうと収拾がつかなくなってしまいます。

そのようにならないためには、「遺言を書く」、もしくは「遺言を書いてもらう」ことが殆ど、唯一の方法と言えます。

「遺言書」があれば、時間がかかる場合もありますが、概ね有利に展開します。遺言書がないまま、相続になれば、相続する場合でも、される場合でも、なかなか思い通りにはなりません。

しかし、「そうか、遺言書を書いておこう」とか、「よし、親に遺言書を書いてもらおう」と思っても、法律的に有効な書き方をするのは1人ではかなり困難ですし、書いてもらう場合には、どのように話を持って行けば良いのか、という問題があります。

・子供たちの仲が悪くて、このままだとトラブルになりそうなので遺言を残したい
・事情があって、特定の子供に多くの財産を承継したい
・法定相続とは違う形で、財産を譲りたい

このような場合は、専門家である弁護士にご相談されることをお勧めします。

2、遺言書の種類

遺言書の作成方法として,以下の3つがあります。

1、自筆証書遺言

本人が、本文の全文・日付・氏名を自筆で書いた書面に捺印したものです。活字や代筆は認められず、必ず自筆で書くことが必要となります。もっとも,財産目録については,別途作成した活字の文書を添付することも法改正によって認められることになりました。

メリットとしては,作成が容易であり,便箋等に手書きで作成するという形でも問題ない,誰にも知られずに作成することができる,弁護士等に作成を依頼する場合を除き原則として費用がかからないという点があります。

他方で,デメリットとしては,遺言の方式が定められているので,専門的な知識がないと形式の不備により無効となることがある,偽造や変造の危険が伴う事から,事後的に本人が書いたものなのか争いになることがある,作成時に作成者に遺言書の内容を理解できる判断能力があったのか否か争いになることがある,全文を自署しなければならないので,長い遺言書は書くのが大変である,死亡後に発見されなかったり,第三者に破棄される可能性がある,家庭裁判所で死後に検認手続きをしなければならないという点があります。

2、公正証書遺言

公証人役場で遺言を作成する方法です。

本人が公証人役場に出向いて証書に内容を記載して署名・捺印した上で証書を封じ、同じ印鑑で封印をします。この証書を公証人1人と証人2人以上の前に提出し、自分の遺言である旨を告げ、住所氏名を述べます。それを公証人が封紙に日付と共に記録し、本人と証人と共に署名捺印して作成します。

メリットとしては,作成には公証人と証人が2人以上立ち会うため偽造が問題となることがない,公証人が本人の判断能力があることを確認しながら作成するので,事後的に遺言作成時に本人の判断能力がないとして有効性が争われる恐れが少ない,原本が公証役場に保存されるため,遺言書の紛失・破棄の恐れがない,病気で手を動かせない場合でも作成できる,裁判所の検認の手続きが不要という点があります。

デメリットとしては,公証人が関与することになるため気軽に作ることができない,作成に費用がかかる,公正証書遺言を作成したとしても,その後作成した自筆証書遺言で取り消すことができる,証人が2人以上立ち会うので必ずしも遺言の存在と内容を秘密にすることができない点があります。

3、秘密証書遺言

公正証書遺言と同じように公証役場で作成するのですが、遺言書の内容を密封して、公証人も内容を確認できないところが相違点です。

秘密証書遺言は内容を秘密にでき、また遺言書の存在は公証人や証人が知るところとなりますので一見確実そうですが、遺言書の内容自体については公証人が確認していませんので、不明確な内容だったり、法律上無効となる恐れもあります。


自筆証書遺言と秘密証書遺言は、作成時点でその内容を本人以外に知られることがなく、プライバシーを守ることができますが、本人の死後に家庭裁判所で検認の手続きが必要となります。

検認の必要がないのは、公正証書遺言の場合だけです。また,公正証書遺言は公証役場にその原本が保管されていることから、その存在が一番確実なものであり、裁判官や法務局出身の公証人が関与する法的有効性が一番約束されているものであり,遺言者の意思を残す方法としては一番確実であるといえます。

当事務所においては,法律的に有効な遺言を作成し、確実な処理を望まれる場合、公正証書遺言をお勧めしています。

〇公正証書遺言の作成方法

公正証書遺言を作成するには、本人が公証人役場に出向いて作成することが必要です。

ただし、一般の方がいきなり公証人役場に出向いて遺言を作成しようとしても、なかなか難しい面があります。

ですから、まずは専門家である弁護士にご相談の上、公正証書遺言を作成されることをお勧めいたします。

弁護士がご相談を受けた場合、相続人の状況、財産の状況等をお伺いし、どのような遺言書を作成するかを検討し、弁護士が遺言書の案文を作成します。 以下に公正証書遺言作成のポイントを列挙します。

1)相続人調査を行う。

遺言を書くに際して、相続人調査を行っていないケースがよくあります。「相続人なんか分かっている」と思われるかも知れませんが、想定外の相続人が出てくるケースが意外と多いのです。

相続人の範囲を明らかにするために、遺言者が生まれてからその作成時点までのすべての戸籍謄本を申請いたします。また、推定相続人全員の戸籍謄本も申請し、相続関係図を作成いたします。相続関係図を作成することで、まず、法定相続の場合のシュミレーションを行うことができます。

2)相続財産調査を行う

相続人調査と並んで、相続財産調査を行います。財産のうち最も大事なものは、多くの場合に不動産ですので、土地・建物の登記簿謄本を申請します。さらに、預貯金、株式、債権、負債等、すべてをリストアップします。

3)法律に配慮して、遺産分割の方法を記載する

遺言書に書きさえすれば、どんな分け方でも出来るということではありません。配偶者や子供は遺留分という遺言によっても侵すことのできない権利を有しています。従って、遺言書を作成する場合、遺留分を侵害するかどうかは考慮が必要です。

4)遺言執行者を指定する

遺言書は作成するだけでなく、それが確実に執行されることが極めて重要です。

当事務所で、公正証書遺言の作成を依頼された場合、当事務所の弁護士が執行者になり、その遺言内容を確実に実現することをお勧めします。

せっかく、遺言を作成されるのであれば、確実にご遺志を実現されるように、専門家である弁護士にご相談の上、しっかりとして遺言を作成されることをお勧めいたします。

3、遺言者作成において弁護士ができること

ア 自筆証書遺言作成サポート

自筆による遺言の場合,遺言事項,日付,氏名を遺言者が自筆で書き,これに押印することで作成が完了します。 したがって,弁護士が,お客様の意向に沿った遺言の文案を作成し,お客様に文案のとおりに遺言書を記載していただくことになります。

イ 公正証書遺言作成サポート

公正証書遺言の場合,まず,弁護士がお客様の意向に沿って遺言の文案を作成します。 その後,公証役場に対し,文案に基づく公正証書の作成を依頼します。 作成日当日はお客様が公証役場にお越しいただくか,あるいは公証人がご自宅に出張し,弁護士も立ち会いのうえで公正証書が作られます。

ウ 弁護士の遺言執行者への就任

(1)遺言執行者を選任することの意義

遺言は、遺言者が死亡し、遺言が発見されたとしても、その内容によっては実現することができないこともあります。そのような場合は遺言の内容を実現する手続が必要となり、その手続を行うのが遺言執行者です。

具体的には、身近な手続きでは、遺言で遺贈を受けた人の不動産(土地、建物)登記手続や預貯金名義の移転手続、預貯金の解約払戻手続などをすることができます。 この点,遺言執行者に専門家である弁護士を選任しておくことは,遺言の確実な実行にあたって重要であると思います。

(2)遺言執行の主な内容

遺言執行者は、就任すると、相続人の調査、遺言書の検認の申立て、相続財産の調査・管理、財産目録の作成等を行わなければなりません。 その上で主に以下の事務を行います。

①認知

婚姻外の子を認知する遺言の場合、就任後10日以内に戸籍届出を行わなければなりません。

②廃除やその取消

推定相続人廃除やその取消しを内容とする遺言の場合、遺言執行者は、速やかに家庭裁判所に申立てを行わなければなりません。

③財産の移転

遺言執行者は、遺言による不動産・有価証券等の引き渡しを行ったり、預貯金や有価証券の換価等を行い、受遺者や相続人に財産を移転します。

④不動産の名義移転

遺贈された不動産については、遺言執行者は登記義務者となり、受遺者との共同申請により登記名義の移転手続を行います。

⑤訴訟追行

遺産等に関する訴訟が提起された場合、遺言執行者が訴訟の当事者となる場合があります。

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