両親と同居させてもらっていたのですが、特別受益にあたりますか?

 「遺産の前渡し」とみなされるかどうかがポイントです

生前贈与が特別受益に該当するかどうかは、その贈与が「遺産の前渡し」とみなされるかどうかで判断されることが多いです。

故人が生前に同居している相続人に対して行った贈与が、他の相続人の遺産分配に不公平をもたらすと判断される場合、特別受益とされる可能性があります。

例えば下記のようなものが挙げられます。

・実は借金を肩代わりしていた
・数年に1度、新車を買い与えていた
・共同生活の範疇を超える現金の贈与

 共同生活における衣食住の援助は一般的には特別受益にあたりません

同居している相続人が、故人から生活費の援助(折半)や自宅の1室に居住することを認めていたとしても、それが特別受益とみなされることは一般的にはありません。

特別受益に該当する贈与があれば相続分から差し引かれます

特別受益に該当する贈与があった場合、その金額や価値は相続人の相続分から差し引かれることになります。

前述のように、兄弟姉妹の中で一人だけが生前に大きな金銭的援助を受けていた場合、その金額分を遺産分割時に調整することで、公平な分配が図られるのです。

遺言で「持戻しの免除」について記載されていれば、特別受益は差し引かれません

故人が遺言書で「持戻しの免除」について明記している場合、その贈与は特別受益とはみなされず、相続分から差し引かれることはありません。

これは、故人が特定の相続人に対して特別な配慮をしたいという意思を尊重するためです。たとえば、「長男に対して行った住宅購入のための資金援助は持戻しの免除とする」という遺言があれば、その金額は他の相続人の遺産分配に影響を与えません。

もちろん、他の相続人の法定相続分を侵害してしまっているケースにおいてはこの限りではありません。

特別受益のトラブルは弁護士にご相談ください

特別受益に関する問題は、遺産分割においてトラブルの原因となることが少なくありません。

特に、贈与が特別受益に該当するかどうかについては、相続人間で意見が対立することがよくあります。こうした問題に対処するためには、法律の専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士は、相続に関する法律の知識を活かして、ご相談者様にとって有利な解決策を提案します。特別受益に関するトラブルや疑問がある場合は、ぜひ西村綜合法律事務所までご相談ください。

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この記事の監修者

監修者:西村啓聡

弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士

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注力分野

岡山エリアでの相続分野(遺産分割・遺留分侵害額請求など多数の相談実績)

経歴

東京都内の法律事務所での勤務を経て、岡山県に弁護士法人西村綜合法律事務所を創立。県内を中心に年間約80件の相談を受けており、岡山エリアの相続に強い弁護士として活動。地域に根ざし皆様の拠り所となれるような法律事務所を目指している。