遺産分割調停を申し立てられたらどうすればいい?ありがちな相続トラブルの対処法を徹底解説
遺産分割協議が円満にまとまるケースは決して多くはありません。
協議が決裂すれば、今回解説している遺産分割調停へ移行することが一般的です。
この記事では、遺産分割調停を申し立てられた場合の対処法や遺産分割調停の流れ、そして遺産分割調停を弁護士に相談するメリットについて解説します。
遺産分割調停を申し立てられたらどうすればいい?
調停期日を確認し、予定を空けましょう
まずは調停期日を確認し、その日に参加できるようにスケジュールを調整しましょう。
調停期日は、裁判所から指定されるため、ほぼ決まっている日程と言っても過言ではありません。
また、仕事や家庭の都合で調停日に出席できない場合、裁判所に対して延期の希望を出すことが可能ですが、その希望が必ずしも通るわけではありません。そのため、なるべく参加できるように調整することが大切です。
この時点で弁護士に依頼すれば、代理で出席してもらうこともできます。弁護士に依頼することで、専門的な知識を持った代理人が対応するため、より効果的に自身の主張を伝えることができます。
調停に不参加だとどうなる?
調停に不参加の場合、調停は出席した当事者の主張だけで進行することがほとんどです。
例えば、不動産の評価額を低く見積もられてしまったり、預貯金の分配が不公平に決定されたりすることが考えられます。さらに、調停が不成立で審判に移行した場合、裁判官が最終的な遺産分割の方法を決定します。この際、調停に不参加だったことで十分な証拠や主張が提出されていないと、裁判官の判断も不利に傾く可能性があります。
そのため、調停に出席することは、自分の意見や希望を反映させるために非常に重要です。もし調停に出席することが困難な場合は、早めに弁護士に依頼して代理人として調停に参加してもらう必要性が高いと考えられます。
相手に弁護士がついている場合
相手方に弁護士がついている場合、その弁護士は相手に有利な証拠をもとに調停委員を説得しにかかることでしょう。
例えば、遺産の評価額について詳細な資料を提出したり、法的根拠を示して相手の主張を強調することが考えられます。弁護士がついていると、法的な知識や経験を活かして交渉が進められるため、こちらが個人で話し合いに参加してしまうと、うまく言いくるめられてしまう可能性が高いです。
このような状況では、自分も弁護士に依頼し、対等な立場で調停を進めることが重要です。弁護士に依頼すれば法的な根拠を元に組み立てられた主張ができるため、有利な結果を期待できます。
遺産分割調停の流れ
(1)相続人の確認
まず、相続人が誰であるかを明確にし、全員が遺産分割調停に参加できるように努めましょう。
配偶者や養子がいる場合も、同様に相続人として確認されます。戸籍謄本や除籍謄本を取得し、正確に相続人を特定することが必要不可欠です。
(2)遺産分割の対象になる財産の確認
次に、遺産分割の対象となる財産を確認します。
この段階では、「何を分けるか」を全員で合意することを目指します。具体的には、不動産、預貯金、株式などの資産が対象となります。例えば、故人が所有していた自宅や別荘、銀行口座の預金、株式や投資信託などがこれに該当します。
財産の確認方法としては、被相続人が所有していた銀行口座の残高証明書や不動産の登記簿謄本を取得することが一般的です。例えば、故人が所有していた東京のマンションの価値を評価するために、最新の登記簿謄本を取得し、評価額を確認します。また、銀行口座の残高証明書を取得することで、正確な預金額を把握します。
(3)各相続人の取得分をすり合わせる
相続財産の範囲や金額を明らかにした上で、それぞれの取得分をすり合わせます。
法定相続分を基準にしつつ、故人の遺言や生前の贈与の有無などを考慮して調整することが一般的です。
例えば、故人が特定の相続人に対して生前贈与を行っていた場合、その金額を考慮して他の相続人との公平を図ることになります。
(4)分割方法を決定
次に、遺産の分割方法を決定します。不動産の場合、売却して現金を分配する方法や、一部の相続人が取得し、他の相続人に対価を支払う方法があります。
(5)調停が不成立だった場合は審判に移行します
調停が不成立の場合、審判に移行します。審判では、裁判官が遺産分割の方法を決定します。
遺産分割調停を弁護士に相談するメリット
相談者に有利な証拠をもとに法的な主張ができる
遺産分割調停では、自身に有利な証拠をもとに法的な主張を行うことが重要です。
弁護士は、被相続人が生前に作成した遺言書や重要な書類を最大限に活かして、相談者にとって有利な主張を展開することが可能です。また、調停委員や相手方弁護士とのやり取りにおいても、法的な知識と経験を活かして、相談者の権利を守ります。
調停期日への出席を任せることができる
調停期日に出席することが難しい場合でも、弁護士に任せることで対応が可能です。
例えば、仕事が忙しく調停期日に出席できない場合や、遠方に住んでいるため出席が難しい場合、弁護士が代理で出席し、相談者の目線で対応を行います。
審判に移行した際も、相談者の希望が叶うように裁判官とやり取りします
調停が不成立となり審判に移行した場合でも、弁護士が相談者の希望を反映するために裁判官とやり取りを行います。
例えば、相続財産の評価や分割方法について、相談者の意向を反映した提案を裁判官に提示します。
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