兄弟の相続トラブルの原因と避ける方法 – 相続で揉める兄弟の特徴3選!

親族が死亡したとき,相続が発生することは皆さんご存じだと思います。

相続が発生した場合,兄弟間で相続問題が発生し,兄弟間で紛争が生じる場合も少なくありません

このページでは,兄弟間で相続問題が生じるケースと,兄弟間で紛争が生じないようにする事前策や,兄弟間で紛争が生じてしまった場合の解決策について説明します。

そして,兄弟間で相続問題が発生するのは,

  • ①被相続人の兄弟が相続人となり相続する場合
  • ②親が死亡したため,親の財産を兄弟で分け合う

の2パターンが考えられます。

 

兄弟は第三順位の相続人とされており,相続が認められる場合は非常に限定されています。また,相続する割合についても少なく設定されています。

被相続人の兄弟が相続できる場合は次の2パターンに分けられます

亡くなった人に配偶者がいないケース

被相続人に配偶者がいない場合に,被相続人の兄弟に相続分が認められるのは,被相続人に子供又は孫がおらず,かつ直系尊属(被相続人の父母)もいない場合に限られます。

この場合,被相続人の兄弟は,被相続人の財産を兄弟の人数で等分して相続することになります。

亡くなった人に配偶者がいるケース

被相続人に配偶者がいる場合でも,被相続人の兄弟に相続分が認められるのは,被相続人に子供又は孫がおらず,かつ直系尊属(被相続人の父母)もいない場合に限られます。

この場合の相続分は,配偶者:被相続人の兄弟=3:1となり,被相続人の兄弟が複数いる場合は,兄弟間で等分することになります。

亡くなった親の遺産を兄弟で相続するケース

亡くなった親の遺産を兄弟間で相続するケースは次の2パターンに分けられます。

子供は第1順位の相続人と定められているため,被相続人に子供がいる場合,原則として,常に相続人となります。

 一方の親がすでに亡くなっている場合

一方の親がすでに死亡している場合,相続人は被相続人の子のみとなります。

そして,子供が複数いる場合,同財産を子供ら(=兄弟)で等分することになります。

一方の親が健在の場合

一方の親が健在の場合,相続人は,生存している親(=被相続人の配偶者)と被相続人の子供らになります。

そして,分割割合は,被相続人の配偶者:被相続人の子ら=1:1となります。

被相続人子らは,同財産を兄弟で等分することになります。

相続で揉める兄弟の特徴

兄弟間で相続問題が生じ,もめごとが発生する場合は,大きく分けると,

  • ①話し合いが困難な場合
  • ②全く知らない兄弟が判明した場合
  • ③兄弟の家族が相続に同意しない場合

の3パターンに分類されます。

話し合いが困難な場合

このケースはもっとも一般的な兄弟間での紛争が生じるケースです。

多くの場合,兄弟それぞれが自立し,それぞれが家庭を持ったりするなど,共同して生活をしていません。

そして,兄弟が遠く離れて生活していた場合,物理的に話し合い自体が困難なである場合もあります。

また,兄弟のうち,被相続人との親密な関係を築き,相続財産の形成に寄与していた人もいれば,被相続人と関係が希薄になり一切連絡を取っていない人もいます。

それらの兄弟が,それぞれ等分の遺産分割となることをよしとしない相続人がいる場合,話し合いが前に進まなくなる場合もあります。

全く知らない兄弟が判明した

兄弟全員が面識ある場合,話し合いを進めることは比較的容易です。

しかし,相続人を調査した結果,父親に隠し子がいた場合など,今まで一切会ったこともない人が相続人であることが判明することも多々あります。

そのような場合,連絡を取ることすら困難であることも多く,遺産分割協議が難航することが想定されます。

兄弟の家族が相続に同意しない

兄弟間で相続問題が発生する場合,それぞれの相続人が家庭を持っていることも少なくありません。

兄弟間では話し合いを円滑に進められる場合であっても,相続人の家族が相続に口を挟むことが考えられます。特に,相続人の配偶者が被相続人世話をしていた場合などに話し合いが進まないことがあります。

兄弟の相続争いを事前に避ける方法

このような兄弟間の相続争いを避ける方法として,次のとおり遺言を作成しておくことが考えられます。

遺言の作成

遺言を作成しておけば,共同相続人全員が同意しない限り,原則として遺言に従って遺産分割がされることとなります。

特定の相続人が被相続人の財産形成に特別の寄与をしていた場合には,特別の寄与の具体的内容を記載したうえで,特定の相続人に多く分配するような遺言を残しておけば,相続人間での紛争防止につながる可能性があります。

しかし,遺言を残しておけばすべての紛争を事前に防止できるわけではありません。

不平等な内容の遺言であれば,同遺言の効力についての争いが生じる可能性があります。

このような紛争リスクを極力回避するためには,自身の判断能力が低下していない時点から早期に遺言を作成したり,自筆証書遺言ではなく公正証書遺言を作成したりするなどの方法をとることが望ましいです。

兄弟間の紛争を事後的に解決する方法

兄弟間での相続紛争が発生してしまった場合,次の方法による事になります。

遺産分割交渉

ずは相続人間で遺産分割の交渉を行う事になります。

この場合,まず,ご自身が知らない相続人がいないかを調査し,もし別の相続人が判明した場合,判明した相続人に連絡をすることから始まります。

当事者間で交渉を行う場合,特定の相続人が法的根拠がないにもかかわらず,異なる分割割合を求めるなど協議が進行しない場合があります。

この場合,弁護士を入れるなどすれば円滑に協議が進むことが考えられます。

遺産分割調停

任意の交渉でも話し合いが進まない場合,遺産分割調停を申立てることになります。

裁判所を通じて,納得のいく遺産分割になるよう話し合いを行います。

兄弟間の相続トラブルは西村綜合法律事務所へご相談ください

以上のとおり,兄弟間で相続について問題が生じる場合は多々あります。

事前に紛争を避けられるよう遺言を作成する場合であっても,事後的に紛争が生じてしまった場合であっても,法律の専門家である弁護士に依頼をすることでそれぞれのリスクや手間を省くことができるため,まずは弁護士に相談することをお勧めします。






    この記事の監修者

    監修者:西村啓聡

    弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士

    西村写真

    注力分野

    岡山エリアでの相続分野(遺産分割・遺留分侵害額請求など多数の相談実績)

    経歴

    東京都内の法律事務所での勤務を経て、岡山県に弁護士法人西村綜合法律事務所を創立。県内を中心に年間約80件の相談を受けており、岡山エリアの相続に強い弁護士として活動。地域に根ざし皆様の拠り所となれるような法律事務所を目指している。