親が亡くなったらやること・流れを相続に強い弁護士が解説

遺産相続問題においては、多くの問題が存在し、また、それぞれがリンクしているため多くの場合複雑化する傾向にあります。このページでは、遺産相続に求められる知識や、相続発生時にしなければならないことについて解説しております。

遺産相続に関する専門知識の必要性

相続においては、誰が相続人となるのか(法定相続人)、相続の対象となる財産は何か、相続財産をどのように評価するのか、といったことが問題となります。

また、被相続人が死亡する前に多額の贈与や遺贈を受けた相続人がいる場合、そのまま法定相続分で分けると不公平が生じます。法律は、そのような不公平を是正するために、「特別受益」という制度を設けていますが、この点に触れることなく遺産分割を行ってしまうと、不公平が是正されないまま相続手続きが終了してしまいます。

他にも、被相続人が死亡する前に被相続人の財産の維持・増加に努めた相続人がいる場合、他の相続人よりも相続財産を多く分けてもらうことができる「寄与分」という制度も存在します。

さらに、遺留分という、最低限取得が保障された権利があるにもかかわらず、権利の存在を知らず、遺言書を鵜呑みにしてしまい、損をしてしまうことも見受けられます。

相続人が相続によって不利益を被ることを防止するためにも、相続において専門知識は重要となります。

 

親族間での対立の激化

相続問題において当事者となるのは親族です。親族間で良好な関係が築けていたしても、些細なことから大きな紛争に発展する可能性があります。

また、親族間で良好な関係が築けていなかった場合、積もりに積もった不満が噴出し、話し合いが全くできなくなり恐れもあります。親族という深い関係を有しているからこそ、対立が激化し、当事者間での話し合いが難しくなる場合が少なくありません。

必要な法的手続きのタイミング・資料作成の難易度

遺産相続においては、遺産分割協議、遺産分割調停、相続放棄、遺留分侵害額請求、民事訴訟等様々な法的手続きが問題となります。

手続きによっては、法定された期限が存在する等、法的手続きをとるタイミングが重要となります。また、期限がない場合であっても、遺産分割手続きを行うことなく期間が経過すると、二次相続(相続人が死亡してさらに相続が発生すること)が発生し、相続人の増加によって遺産分割協議が難航することになります。

さらに、遺産分割協議に際しては、最終的に遺産分割協議書を作成することになります。この書類は、預金の解約、引出し、相続登記手続きなどに必要となる書類です。そのため、記載方法に不備がないように作成する必要があり、当事者間で作成するのが困難である場合が少なくないです。

相続が発生したらまず何をしなければならないか

相続手続を行うにあたり,相続人となった方はまずここで紹介する事項を確認する必要があります。

遺言書の有無を確認

まず,被相続人が生前に遺言書を遺していないかを確認することになります。
遺言書は自筆の物であれば自宅や銀行の貸金庫,最近では法務局への預かりサービスを利用していることが考えられます。また,公正証書で作成した場合は,公証役場への問い合わせを行うことで確認することになります。

相続人を確認

続いて,相続人が誰かを確認することになります。
被相続人に離婚歴がある場合,前婚の際の子が存在するケースも見受けられます。被相続人の戸籍を確認し,相続人の範囲を正確に把握する必要があります。

遺産を確認

また,被相続人の遺産も確認しておく必要があります。プラスの財産だけでなく,借入等の負債も対象となります。
万が一,遺産分割協議が終了した後に新たな遺産が見つかった場合,場合によっては再度の遺産分割を行う必要が生じます。

遺産分割協議

相続人,遺産の範囲が確定した場合,相続人全員で遺産分割協議を行うことになります。一部でも相続人が漏れている場合,無効となりますので注意が必要です。

相続税の申告

遺産の金額によって,相続税の申告が必要となる場合もあります。その場合は,相続開始から10カ月以内に相続税の申告を行う必要があります。相続税が発生する場合は,相続税申告も視野に入れ,遺産分割のスケジュールを組んでいく必要があります。

 

相続手続きを弁護士に依頼するメリット

相続は,被相続人が亡くなった場合に発生します。相続手続は法律によりルールが定められており,これを守らずに手続を進めてしまうと,後々紛争になることもあります。

そのため,相続手続で不安を感じられた際は,速やかに弁護士に相談することをおすすめします。ここでは,相続手続を弁護士に任せるメリットについて説明します。

迅速な調査

相続手続が始まると,まずは相続人や相続財産の調査を行う必要があります。弁護士に任せた場合,必要な戸籍の収集や預金口座の取引履歴の取得等,必要な手続についてサポートを受けることができます。

法的に適切な解決の提案

相続財産の分配に関しては,相続人間で意見が食い違うことも多くあります。その際に,一部の相続人がイニシアチブをとり,自らに有利な条件で話合いを進めてしまうケースも見受けられます。

弁護士にご相談いただければ,他の相続人から提案された条件が法的に適切なものか検討の上,アドバイスを受けることが可能です。

交渉や手続を任せられる

相続手続は相続人全員でする必要があります。その際,意見が対立している相続人や長年疎遠となっている相続人との協議は心身ともに負担が大きいものとなります。
弁護士に依頼した場合,このような煩わしい交渉を全て任せることが可能です。

法的な紛争(調停、審判、訴訟等)も対応可能

相続人間で意見がまとまらない場合,調停・審判等裁判所での手続が必要になる場合もございます。

その場合でも,弁護士に手続を任せることが可能です。

行政書士・司法書士との違い

相続手続きにおいては、遺言書、遺産の調査、遺産分割、相続放棄、家族信託、相続税など問題となる点が多岐に渡ります。

弁護士の職務は、法律相談・交渉・調停手続、訴訟対応、遺言書や協議書作成などの法律事務全般であり(弁護士法第3条)、相続に関するすべての法律問題に対応することが可能です。

一方、行政書士や司法書士は相続手続きに関して網羅的に対応することはできず、場合によっては途中からご自身で対応することになる可能性があります。

弁護士に依頼することをおすすめするケース

相続手続について,次のようなケースは弁護士に依頼することをおすすめします。

遺言書の有効性に争いがあるような場合

被相続人の遺言書が一応見つかったが,その筆跡が被相続人のものか疑わしい場合や,遺言書作成時に認知症が進行しており,本人が作成したのか疑わしい場合,当該遺言の有効性が争点になります。

そのような場合は,有効性の判断や争い方,資料の収集等,専門的な知識が必要になります。そのため,弁護士の助言の下,手続をすることを強くおすすめします。

相続人が多数にわたるような場合

相続人が多数にわたる場合,相続人調査が非常に難しい場合があります。

また,人数が増えるとその分協議を行う負担も増加します。

そのような場合,専門の弁護士に依頼をして,相続人調査から協議まで任せることをおすすめします。

遺産分割で紛争になりそうな場合

遺産分割においては,財産の分配だけでなく,生前に一部相続人のみが贈与(特別受益)を受けている場合や,生前に被相続人の介護や身の回りの世話をしていたとして寄与分の主張をする場合等に法的な紛争が生じることがあります。

このような法的紛争が生じた場合は弁護士に依頼することを強くおすすめします。

遺産の中に使途が判らない金銭がある場合

その他,遺産の預貯金について一部の相続人が使い込みをしていることが疑われる場合や,使途が明らかではない預金の引き出しがあるような場合は,その点をめぐり紛争になる可能性が高くなります。

その場合,初動の資料収集が肝心となるケースが多く,早めの段階で弁護士に依頼することを強くおすすめします。

 

弁護士法人西村綜合法律事務所の相続問題の対応実績

相続手続は,親族間で発生するものが大半であり,そこで紛争が生じると感情的な対立が強く,当事者間での話合いによる解決が難しい場合が多く見られます。また,法的にも難しい問題が生じることもあります。

そのような場合にはぜひ弁護士に一度ご相談ください。

当事務所では、遺産分割協議、遺産分割調停、遺留分侵害額請求、相続放棄手続き等、様々な相続問題に対応してきた実績があり、相談者にとって最善の紛争解決に向けたサポートをさせていただきます。

また、岡山県にお住まいの方向けに無料相談(オンライン可)を実施中ですのでどうぞお気軽にご相談くださいませ。






    この記事の監修者

    監修者:西村啓聡

    弁護士法人西村綜合法律事務所 代表弁護士

    西村写真

    注力分野

    岡山エリアでの相続分野(遺産分割・遺留分侵害額請求など多数の相談実績)

    経歴

    東京都内の法律事務所での勤務を経て、岡山県に弁護士法人西村綜合法律事務所を創立。県内を中心に年間約80件の相談を受けており、岡山エリアの相続に強い弁護士として活動。地域に根ざし皆様の拠り所となれるような法律事務所を目指している。